今度地元の企業で就業体験予定がある
大学生の弟。インターンシップ先に
電話をかけようと、事前練習中です。
「お姉ちゃん、電話口に出る企業役
やってよ。」とお願いされ、
電話でのやり取り練習をするのですが、
何ともぎこちない敬語で落ち着きません。
学生だから仕方ないにしても、
この調子だと、心証が悪くなりそう。
そこで、インターンシップをしようとする
学生が、企業に電話をかける時の敬語や
作法について、色々と調べてみました。
学生モードの敬語
では、先ず弟が考えた電話口での
敬語を見てみましょう。
××太郎と申します。
お忙しいところ、申し訳ありません。
△△の事務所さんのインターシップ
募集の受付は、こちらの電話窓口で
宜しかったでしょうか。
この度、△△事務所さんでの
インターンシップに参加したく、
お電話しました。
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ビジネスモードの敬語
先の例文で、引っかかるところが
かなりありました。一つずつ
見ていきましょう。
学生が使いがちな用法
- もしもし
- △△事務所さん
- 宜しかったでしょうか?
- 参加したく
- お電話しました
ビジネスでは、滅多に使いません。
相手も電話を取ると、開口一番に、
「はい。△△事務所です。」と、
名乗ります。
これに対しては、もしもしを省き、
自分の名前を言いましょう。
ビジネスでは相応しくありません。
「貴所の〜」と言います。
〜会社であれば、「御社の…」
となります。
ファミレスで注文確認をする時に、
店員さんが使うバイト用語として
お馴染みですね。
まだまだ違和感があるとする人が
多いこの用法。
大手外食チェーン店では、マニュアル
でこの用法を使わない様指導する
動きもあるようです。
「宜しいでしょうか?」が違和感なく
聞こえますね。
「参加させて頂きたく」の方が、
より丁寧さが出ます。
「~させて頂く」は相手に許可を貰って
自分がするという意味合いがあります。
ということは、例えば上司の指示でする
行為なのに、「~させて頂く」は少し
ずれていると言えます。
上司に、「これコピーとって来て。」と
指示され、「コピーさせて頂きました。」
と言って渡すのは、おかしいですね。
逆にお客様の書類を手続き上借りてコピー
しなければならない時は、お客様の許可を
乞う形ですから、ふさわしいと言えます。
インターンシップに参加の許可を企業側
から貰うという状況なので、「~させて
頂く」が、場に合っているでしょう。
自分が電話をかけている状況に、
丁寧語の「お」をつけるのは変ですね。
「電話致しました。」が良いでしょう。
悩ましい敬語:「申し訳ありません」
「申し訳ありません」や
「申し訳ございません」。
社会人の私でもよく使いますが、
正式に言うと間違えた使い方の様です。
「申し訳ない」は一つの単語であり、
これで形容詞となります。
なので、「申し訳」と「ない」を分けて、
「ない」だけを「ありません」や
「ございません」に活用するのは
おかしいのだそう。
でもあまりに使う人が多いため、本来
間違えた言い方だとはわかりつつも、
相手に合わせて使い分けるのも手です。
立場上、上の方が「申し訳ありません」
と使うなら、自分もそれを使うという
処世術ですね。
弟のケースの場合、「申し訳ありません」
でも許容されますが、「恐縮ですが」や
「恐れ入りますが」でも良いでしょう。
ビジネスモードでの例文
上記をまとめると、弟が考えた敬語は、
ビジネスモードだと次の様に修正
できます。
お忙しいところ、恐れ入ります。
貴所でのインターンシップの
募集受付は、こちらの電話窓口で
宜しいですか?
この度、貴所でのインターンシップに
参加させて頂きたく、電話致しました。
さいごに
気を遣うべきは、敬語だけではないよ、
というアドバイスも弟にしました。
- 対応しづらい朝一や、終業間際、
お昼休みの時間帯は避けて電話する。 - 「えーと」「あのー」という
言葉は使わない。一文を簡潔に。 - 電話を切る時は、かけた方から
切るのがマナー。がちゃ切りにならない様、
片手でフックをおしてから、
そっと受話器を置く。
などです。緊張気味だと「あのー」
が頻発し、私も新入社員の頃、上司に
それをよく注意されたものです。
敬語は奥が深いですが、肝心なのは、
誠意なのかな、と思いました。