確定申告と年末調整の違いって何?副業したら両方必要なの?

   

久しぶりに友人のA子と、ランチに
出掛けました。

 

実は彼女、このところの不況で、
すっかり残業が、減ってしまって、

最近、これまでの正社員としての
仕事に加えて、アルバイトの副業
始めたそうなんです。

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A「実は最近、アルバイト先で
  同じように、正社員とアルバイトの

  ダブルワークを、している人と
  仲良くなったんだ。

  それで、気になっていた
  年末調整と、確定申告のやり方を
  教えてもらおうと思って、聞いてみたら

  『会社で年末調整していれば、
   確定申告は、必要ない』って
  言われたんだけど、本当にそうなのかしら?

  ネットなんかで、調べてみると
  色々書いてあって、どうしていいのか
  良くわからなくって…。」

 

給料のベースアップが、難しい今の時代。
「もっとお金が欲しい」
「好きなことを、仕事にしたい」など、

様々な事情で、本業のほかに
アルバイトをしている人や、

アルバイトやパートを、
掛け持ちしている人も、
少なくないことでしょう。

 
副業を始めようと、考えたとき、
まず何といっても、気になるのが
税金のことでは、ないでしょうか?

年末調整は、これまで通りでいいの?」
確定申告を、しなくっちゃいけないの?」
色々と、疑問が湧いてきますよね?

 

不安そうにしている、A子のために、
ちょっと、経理のBさんに、
聞いてみることにしました。

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確定申告と年末調整

B「あー、副業ね~。
  最近そういう人が、
  増えてるみたいね~。

  でもその割に、税金のこと
  よく分かっていない人も、
  多いみたい、なんだよね。

  ぶっちゃけあなたにも、聞いてみるけど
  確定申告と、年末調整の違いって、
  分かってる?」

 

私「えっ!?」 ヾ(;´Д`○)ノァセァセ

  確定申告も、年末調整も
  所得税に関わる手続き、だって言うことは
  何となく分かるけれども、

  改めて聞かれると、何だか自信が
  なくなってきました。

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年末調整とは?

年末調整とは、簡単にいえば、
給与所得者に対して、会社等が支払った

1月から12月までの、一年間の
給料及び、源泉徴収した所得税
12月の最終支払日に、再計算して

所得税の過不足を、調整することを
いいます。

 

B「本来所得税は、1年分の所得について
  確定申告によって、納税するのが
  原則とされているの。

  だけど確定申告だと、1年間の所得税を
  まとめて支払うことになって
  納税者にとって、高額になることや、

  税務署でも、サラリーマンや公務員などの
  多数の納税者に、対応しきれない
  ことなどから、

  会社がサラリーマンの、給料等に対する
  所得税等を、あらかじめ引いて
  代わりに税金を、納めているわけ。

  給料明細書を見ると、分かると思うけど、
  その中に所得税という、
  項目が、あるわよね。

  つまり、毎月のお給料から
  所得税が、源泉徴収という形で
  天引きされている、ということなの。」

 

私「なぜ毎月給与から、天引きしているのに、
  年末に調整する、必要があるの?」

 

B「それは、毎月源泉徴収されている
  所得税額は、概算で徴収されている
  からなの。

  というのも、サラリーマンの源泉徴収は
  1年間の収入を予想して、

  収入金額と、扶養家族数により
  あらかじめ、金額が決められるんだけど、

  実際は年の途中で、給与の額にも
  変動があるし、

  扶養家族が増えたり、病院で医療費を
  支払ったりしたようなことも
  反映されないの。

  そもそも、生命保険料控除なども
  反映されて、いないしね。

  つまり源泉徴収は、所得税の
  仮払のようなものなの。

  これを1年間分の給料を、支払った時点で、
  もう一度見直して、所得税を
  正しく計算することで、納税が終了となるの。

  一般的な会社員にとっては、
  年末調整=確定申告
  ということになり、

  別途自分で、確定申告をする必要が
  なくなるってわけ。」

 

確定申告とは?

確定申告とは、個人が
1月1日~12月31日の間の、所得の全てを
計算して、所得税額を確定し、

原則、翌年の2月16日~3月15日に
申告する、手続きのことです。

年末調整が、毎月の給与天引きで
税金を、源泉徴収されて
いるのに対して、

確定申告は、報酬を受け取った後
精算になります。

 

B「簡単に言えば、年末調整は
  給与から天引きの形で、
  所得税を、先払いして、

  その額が少なければ、不足分を徴収し、
  多ければ、還付されるのに対して、

  確定申告の場合の納税は、
  確定した報酬に対して、後払い
  している訳だから、

  当然、年末調整などのような
  精算をする必要は、ないわけ。」

 

2箇所以上の会社から給与を受け取っている場合

B「通常、会社員であれば、
  会社で年末調整を、行うため、

  個人で確定申告を、する必要は
  ないんだけど、

  2箇所以上の会社から、給与を
  受け取っている場合、

  副収入の所得分は、自分で確定申告
  しなければ、ならないの。

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  この場合、まず第一に
  『主たる給与』であるか、
  『従たる給与』であるかを、

  決めることが、必要よ。」

 

『主たる給与』と『従たる給与』

一般的には『主たる給与』とは、
いわゆる、本業の給料のことであり、

大抵の場合は、最も勤務時間が長く
給料の金額も多い、会社からの給料
ということになります。

『従たる給与』とは、
それ以外の、給与を指します。

そして税金の手続上、大切なのは
『主たる給与』をもらう会社に

給与所得者の扶養控除等(異動)申告書』を
提出しておくと、いうことです。

B「『給与所得者の扶養控除等(異動)申告書』
  と言うのは、年末調整のときに提出する
  緑色、A4横の紙のことよ。

  実は、2箇所以上から、
  給与を、貰っている場合でも、

  年末調整(税額の精算)が、できるのは、
  『主たる給与』を、受けている会社のみ。

  『従たる給与』の会社では、
  年末調整が、できないの。」

私「どうして、1箇所でしか
  年末調整できないの?」

B「実は、『主たる給与』と
  『従たる給与』では、
  源泉所得税の、税率が違うの。」

 

税率の違い

B「さっき、給与明細に
  所得税の項目が、あるって言ったけど

  この毎月の所得税額は、
  国税庁の『源泉徴収税額表』に
  基づいて決まるの。

  『主たる給与』の、毎月の源泉徴収は
  源泉徴収税額表の『甲欄』で、

  『従たる給与』は、『乙欄』で
  行うことに、なっているの。」

(国税庁 『源泉徴収税額表』
http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/gensen/zeigakuhyo2013/01.htm)

  そもそも『乙欄』は、『甲欄』に比べ、
  扶養親族に応じた計算が、できないのはもちろん、
  金額がやけに高く、設定されてるのよ。

  中でも、この2つの一番大きな違いは、
  給与月額、88,000円未満の場合の扱い。

  『甲欄』では、その月の社会保険料等控除後の
  給与等の金額が、88,000円未満であれば
  徴収する所得税は、0円となるの。

  一方『乙欄』では、88,000円未満であっても、
  3.063%に相当する金額が、
  所得税と、なるのよ。」

 

私「『甲欄』と『乙欄』で、
  どうしてそんなに、所得税が違うの?」

 

B「『乙欄』適用になっている、と言うことは、
  ダブルワークなどで、

  複数からお給料を、貰っているという
  可能性が、高いわけよね、

  つまり、『甲欄』適用の事業所で、
  既に優遇された税率を、適用されていると
  考えられるわよね。

  そのため国は、二重の控除になることで、
  本来より低い税額に、なってしまうことを、
  避けようとして

  『主たる給与』以外では、こういった控除
  一切なしという前提で、計算することに
  なっているんでしょうね。

  つまり国は、
  『所得税を、少な目に徴収してあるから、
   確定申告で、追加納付しなさい』

  というのでは、取りっぱぐれ
  可能性があるから、
  これを、避けるため

  『月々の税金を、多めに貰っているから、
   確定申告すれば、返します』
  としているわけ。

  だから『乙欄』が、適用されている人は、
  確定申告すれば、還付される可能性が
  高いとも、考えられるわね。」

 

私「なるほど。それで具体的には、
  年末調整と確定申告を、
  どういう手順で、すればいいのかな?」

 

確定申告の流れ

B「副業で2箇所以上から、給与所得を
  得ている場合の、

  年末調整と、確定申告の流れは、
  一般的には、次のような感じになるわ。」

 

1.『主たる給与』を、受けている事業所へ
 『給与所得者の扶養控除等(異動)申告書』
 を提出し、

 年末調整を受け、年末調整済
 源泉徴収票を貰う。

 

2.『従たる給与』を、受けている事業所で
 年末調整の用紙を、提出せずに、
 源泉徴収票を貰う。

B「年末調整を行う時、副業先から
  『扶養控除等申告書』の提出を
  求められた時には、

  『他の勤務先で、年末調整を受けます』
  と伝えて、提出しないように
  気を付けてね。

  こちらの勤務先では、年末調整を
  受けないから、源泉徴収票には
  『年調未済』と、書かれているはずよ。」

 

3.確定申告書の用紙を、税務署から
 郵送取り寄せ

 若しくは、国税庁のホームページで印刷する。(https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/shotoku/yoshiki01/shinkokusho/02.htm)

B「確定申告の用紙には、色々な種類があるけど、
  2ヶ所以上の会社などから、
  給料を貰っている、人の場合は

  『確定申告書A』を、使うのが普通よ。」

 

4.二つの源泉徴収票を、参考にして、
 申告書を記入する。

B「記入方法は、国税庁の確定申告書の手引き
http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/shotoku/tebiki2007/pdf/01a.pdf
  に詳しく記載されてるから、

  手順通りに、記入していけば、
  意外と簡単に、作成できると思うわよ。」

 

5.二つの源泉徴収票を、添付して
 確定申告書を、提出する。

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B「以上の手順で、確定申告は完了よ。

  ただね実は、2箇所以上から
  給与所得を、得ている場合でも、

  例外的に、確定申告をしなくて
  いい場合も、あるの。」

 

確定申告をしなくてもよい場合とは

B「給与所得者の場合、副業などの所得が
  年間20万円以下の場合は、
  申告の必要が無い、とされているの。

  ただし、この決まりはあくまで、
  所得税に関するもの。
  地方税には、当てはまらないの。

  つまり、20万円以下であっても、
  住民税の申告は、別途必要よ。

  その上、医療費控除を受けたり、
  他の税制優遇措置を、受けるために
  確定申告をする場合は、

  20万円以下であっても、
  あわせて申告を、しなくては
  ならない決まりなの。

  結局、正社員とアルバイトを
  兼ねている、場合なんかは、

  全ての源泉徴収票を、取り寄せて
  確定申告することが、原則だと
  考えるべきでしょうね。

  ちなみに、確定申告した場合は、
  その内容が、市町村へも通知されるから
  住民税の申告は、必要ないのよ。」

 

まとめ

結局、副業などで2箇所以上から
給与所得を得ている場合、

確定申告を、すべきである、
ということですね。

 

確定申告の流れは、

本業で年末調整し、源泉徴収票を貰う

副業から年末調整をしていない
 源泉徴収票を貰う

・確定申告を行う

 

Bさんによれば、
副業は、『乙欄』の高い税率で、
源泉徴収されているので、

確定申告で、還付される可能性が
高いとは、言うものの、

所得税の計算は、源泉徴収票の内容を
合算・通算して、申告するため、

給与所得の、累進課税という性格上、
例え両者とも、源泉徴収
されていたとしても、

税率テーブルが上がり、
追加的な納税が、必要になる
ケースも、あるのだそうです。

 

おわりに

最近、不況による給料の低迷や、
ボーナスカット等、収入減少
影響からか、

副業をするサラリーマンが
増加していると、言われています。

独立行政法人労働政策研究・研修機構が行った
「副業者の就労に関する調査」(平成21年)
によると、

副業している人の割合は、全体の8.1%だと
いうことですが、

別の、民間の転職会社の調査
(平成23年、25~39歳の正社員800人)では、

20.1%と、5人に1人
副業をしているとの
結果がでていると、聞きます。
 

副業をするのには、人それぞれに
様々な事情が、あるのでしょうが、

くれぐれも、体に気をつけて、
無理をし過ぎないように、
気をつけたいものです。

いくら『副業OK』の会社でも、
本業に悪影響が、出るようでは、

会社での立場も、悪くなりなりかねないと、
肝に銘じるべきですね。

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