ライトノベルの新人賞!ページ数と文字数はどれくらいがいい?
ライトノベルってやつ。アニメみたいな絵の文庫本、もうあれにハマっちゃって新人賞に応募し続けてるんだけど、落ちまくってるの。狭き門だから諦めなさい。
って友人に何度言っても聞かないのよ~。
そこで「もうこうなったら何かそれなりのノウハウを教えて協力してあげるしかないのかな~」と思い、ちょっとノウハウを一緒に調べるお手伝いをすることになりました。
新人賞応募のための創作方法
ライトノベルとは、主に中高生を対象とした、若者向け小説のことです。略して「ラノベ」。ひと昔前は、ジュブナイルなんて呼び方もしましたよね。
ジャンルは、ファンタジーもの、学園恋愛もの、冒険もの、異世界転生もの、とさまざま。自由な発想を駆使したエンターテイメント性の強い作風、またはキャラクターの魅力、いわゆるキャラ性を全面に押し出した作風が特徴的です。
またライトノベルと言えば、最も特徴的なのが表紙と挿絵。アニメやマンガ調の、いわゆる「萌え絵」と呼ばれる絵柄が起用され、ある程度読者のイメージを固定化して読みやすくするように想定されています。
読者によっては、好きな作家の本を選ぶのではなく、お気に入りのイラストレーターの挿絵の本を選んで読む、という傾向もあるようですね。
平たく言えば「アニメやマンガの世界を、そのまま文章で表現したジャンル」が「ライトノベル」ということになるでしょうか。まあ、これはかなり乱暴な定義ですが。
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さてそのライトノベルの新人賞。さまざまなレーベルが、一年を通して作品を募集しています。募集要項や規定は、だいたいどこも同じようなものです。
そこでとりあえず入賞を狙うなら、あらかじめどのレーベルにも対応できるよう、各賞のページ数や文字数の平均値に合わせ、創作することをオススメします。
もちろん、まずは自由に書いてみて、あとで長さを調節してもいいわけですが、それをすると作品の出来栄えが、ややいびつになってしまいがちです。
小説には、そのページ数に応じた起承転結のボリュームがあります。普段から新人賞の規定に合わせた長さで創作しておいたほうが、推敲や加工を重ねたものより、ストーリーに唐突さや淀みがなく、より完成度が高くなるでしょう。
文字数ではなくページ数に注意
次の表は、新人賞の募集要項のページ数と文字数を、一覧にしたものです。
今回は長編に絞って、応募要項を調べてみましたが、どこもだいたい似たようなページ数、文字数ですね。
この表から平均値を取ると、1ページ40字×34行の書式で、100枚から120枚に収まるように書いておけば、だいたいの賞の条件に合うことになります。
ここで注意しなければならないのは、文字数です。MS Wordや一太郎を使っている人なら、文字数、行数を設定して書いていけば、自動的にページ数が表示されますから問題はないのですが、携帯で創作している人は文字数に気を付けなければなりません。
上の表に挙げた文字数の上限、下限はあくまで、余白なし、改行なしで1ページをビッシリ文字で埋めた場合のものなのです。
たとえば40字×34行の場合、1ページの文字数は1,360文字。それに単純にページ数をかけた数字が上の表、ということになります。
が、実際小説というのは、会話文で改行が多数入ったり、場面転換で余白を入れたりなど、ページが文字で埋め尽くされているわけではありません。
ましてやライトノベルは純文学などと比べると、改行多めの風通しのいいレイアウトで、文字数の割にページ数を食うのです。
新人賞の応募作品は、内容の前に、まずはページ数の規定をクリアしているかどうかがチェックされます。どんなに素晴らしい作品を書いても、ページ数を遵守できていないためアウト、というのでは、あまりにもったいないですよね。
ですから、40字×34行の場合、実際1ページ1,100文字程度と考えたほうがいいかもしれません。そうなると110,000文字~132,000文字の範囲内で作品を仕上げておけばいい、ということになります。
しかし、どんなソフトで小説を書いていようと、応募の前に、まずは紙面にプリントアウトしておくほうが無難でしょう。携帯小説の人なら、ワープロソフトにテキストを流し込んで、書式を整えてから印刷することをオススメします。
いまはWEB投稿可、というレーベルがほとんどなので、わざわざ紙ベースで印刷するなんて面倒くさいし、インクと紙の無駄!と思われるかもしれませんが、実はこれにはメリットが2つあるのです。
ひとつは、作品の校正ができること。そしてあとひとつは、自分の作品を客観的に読むことができることです。
印刷物として、一度自分から離した状態で作品を読み直すのは、とても大事なことです。そうすることで今まで見落としていた誤字脱字、また表現の不具合やストーリーの欠点なども、意外とチェックできるものなのです。
もちろん携帯を使っていた人は、印刷することで、はっきりしたページ数を確認することができます。
入賞作品は、結局本という印刷物になるわけですから、それをあらかじめ疑似体験して、自分の作品の印象を確認する意味でも、プリントアウトした状態での最終チェックを、ぜひオススメします。
おわりに
さて、友人と二人、いろいろ入賞ノウハウを調べてみましたが、要するに、新人賞の応募要項を遵守し、その規定に沿った作品作りを心得ておけばいいのではないか、という結論に達しました。
「でもねえ、結局、肝心なのは、作品の中身なのよね。こればっかりは本人の実力とセンスの問題だからねえ~」と友人はまたもやタメ息。キミ、それを言っちゃあおしまいだよ~。
でも友人の言う通り、結局はいろんな本を読んで、いろんな人の話を聞いて、いろんな人生経験をすることで、実力とセンスを磨く。それしか方法はないんでしょうね。
いずれにしても、夢に向かって努力する姿は美しいもんです。本人が納得するまで見守ってあげるのも、思いやりかな、と感じたりもします。